memo: 4 August, 2016





秋庭史典(美学者/名古屋大学)





□ 名前:秋庭史典

□ 肩書・所属:美学者/名古屋大学

□ 略歴:
1966年岡山市生まれ。
大学・大学院では美学美術史学を専攻していました。
名古屋で仕事を始めてから、17年目(!)になります。
CAPTIONさんには、2004年に『BT』で展評を書いていた頃からお邪魔させていただいております。


side Bで一番おたずねが多いのが、秋庭さんの『ANISH KAPOOR』。
意味ありげな黒い箱にカプーア・・・これはひょっとして本物!?


○名称:紙片(ANISH KAPOORと書いてあります)とそれが入っていた紙の箱。

○ 年代:2000年前後と思われます。

○ コメント文:
タンスの奥にあった箱で、自分でも何が入っていたのか忘れていました。
開けたら、ANISH KAPOORとありました。おお・・・。
本人のサインではなく(そりゃそうですよね)、ロンドンの知人が私に渡したメモだということは、すぐに思い出しました。
なぜこの箱に入れられ、タンスの奥に放置されていたのかは、思い出せません。


秋庭さんのお話から補足しますと、ロンドンのお知り合いとの会話のなかで『アニッシュ・カプーア』の名前が出たとき、インド生まれのカプーアの名前が聞き取れず、困っている秋庭さんに、書いて渡してくれたものとのこと。

ちなみにピンク色のダンボールも秋庭さんのもの。
このダンボールで『Found: 』のための展示物が送られてきました。
side Bは棚の上の"屋上"もにぎやかです。




 
 




つづいて、美術作家 寺田就子さんの『Found: 』
寺田さんは8月11日から10月23日まで開催される『あいちトリエンナーレ』に参加します。
そちらも合わせてご覧ください。

『あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅』
Homo Faber: A Rainbow Caravan

芸術監督: 港 千尋

会期: 2016年8月11日~10月23日
http://aichitriennale.jp/index.html

参加作家|寺田就子
http://aichitriennale.jp/artist/teradashuko.html




寺田就子(美術作家)




□ 名前:寺田就子

□ 肩書・所属:美術作家

□ 略歴:
1973年  大阪府生まれ
1997年  京都市立芸術大学 版画専攻卒業

主な展覧会歴
2011年  京芸TransmitProgram♯2『転置-Displacement-』(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA/京都)
2012年  影の透きまに眩う(galerie 16/京都)
2013年  雨滴のレンズ(GALLERY CAPTION/岐阜)
2015年  篠原資明企画「超少女まぶさび宇宙-竹中美幸:寺田就子」(GALLERY CAPTION/岐阜)
2016年  あいちトリエンナーレ2016、個展(GALLERY CAPTION)を予定しています。



○ 名称:アイドルのスーパーボール
○ 年代:1976年ごろ

○ 名称:ガラス製の文鎮
○ 年代:1980年ごろ

○ 名称:プラスチック製のおまけ
○ 年代:1982年ごろ

○ コメント文:
子どものころからいろんな場面で集めてきた透明な宝物のいくつかです。
アイドルのスーパーボールは、当時近所に住んでいたお姉さんが遊ぶためにと貸してくれたのですが、角度によって写真の顔が拡大されることがおもしろくて、頼んで譲ってもらいました。ガラス製の文鎮は、母方の祖母が使っていたもので、気泡の混じった分厚い透明のガラス越しに絵柄を見るというのが楽しくて、遊びに行った時に貰って帰りました。プラスチック製のおまけは、地元のお店で文房具などを買ったときに付けてくれたおまけの内の1種類ですが、透明なプラスチックの素材が気に入り、姉の分までいただきました。

こうして振り返ると、他人のものを取り上げて自分の宝物にしていることが多いことに気が付きました。身近な人たちの優しい心のおかげで、透明素材への愛着が深まったのかもしれません。透明なものを眺めたり覗き込んだりしながら、遊び楽しむことは、この歳になった今でも変わりません。
この先もこれらを宝物として大切にしていくということで、取り上げたことは許していただきたいと思います。


○ 名称:祖父のどんぐり人形
○ 年代:最初に出会ったのは2000年ごろ

○ コメント文:
父方の祖父手作りのどんぐりでできた人形とその仲間らしき物体です。
祖父はいつのころからか、よくわからない置物を毎日作っていました。たくさん貯まってくると私たち家族にも分けてくれるのですが、私以外の家族は、いらないと断っていました。
置物のほとんどは、広告の小さな写真を切り、それを厚紙に貼り付け、自立するように手を加えた、薄っぺらで厚みのないものばかりでした。たまたま見つけたこの人形は、めずらしく立体的な掘り出し物でした。今から4年ほど前に祖父の遺品を整理していたとき、道具箱の中からさらに2体が見つかり、仲間が増えました。祖父が描いたのであろう表情は本人にそっくりです。

そして祖父の身近にあったと思われるティッシュ製の顔をしています。とくに意識もせずに思うままに作っただけと思われますが、自然と作者である祖父に似ていることや、祖父らしさがにじみ出ていることに、とても引きつけられました。私と祖父は小さいものを好むところなど似ていると言われますが、私が作ったらこうはならないと思います。